長岡研究室(名古屋大学大学院情報科学研究科物質情報講座)

優 乙石
1.卒業年度
平成15年4月より平成20年8月 博士研究員
(科学技術振興事業団(現:科学技術振興機構)計算科学技術員、名古屋大学21世紀COE「計算科学フロンティア」博士研究員として所属)
2.現職(就職先あるいは所属)
青山学院大学 理工学部 化学・生命科学科 助教
3.ひとこと(研究生活が現在にもたらしている効果 等)
私は、他大学工学部の大学院博士過程卒業後、長岡研究室に博士研究員として採用していただき、5年半の長きに渡り長岡研究室でお世話になりました。そこで得たものは、論文という成果や専門的知識は勿論のこと、物事の考え方や取捨選択の基準など、普遍的で重要なものです。また、研究活動を通じて、自分はどのような思考に陥りやすいのかを客観視する良い機会となりました。これらの体験は、私が現在の職場で学生と向き合う立場になり、彼らと研究生活を共にするうえで、重要な指針となっています。
4.受験生へのアドバイス
計算機(コンピュータ)は、人類が発明した道具の中で、例を見ない速さで進化しています。 それによって、物質の巨視的な性質や反応を、分子集団の膨大な微視的情報から「直接的に」観察・理解・予測することが現実味を帯びてきました。 当研究室の長岡正隆教授は、その可能性をいち早く見出し、化学反応や生命現象を、分子や原子(時には電子)の動的変化として解明する理論的手法の開発に、先駆的に取り組まれてきた研究者です。
研究の範囲は、理論的な側面の強いものから、産業的応用を見据えたテーマまで、幅広くカバーしているので、分子シミュレーションには興味があるが、 まだ何がやりたいのかは具体的に決めていないという人にはとても良い研究環境ではないでしょうか。
研究室に配属されると、早い時期に分子シミュレーションに関連した入門的セミナーがあるので、初心者でも比較的スムーズに研究活動へと移行できると思います。 研究室の雰囲気はアットホームで、先輩メンバーも助言や支援を惜しまないので、知識や技術面で大きな不安を持つ必要はないでしょう。
重要なのは、主体的に研究に取り組む姿勢とその継続力です。長岡先生は、研究をこよなく愛され、学生の情熱には、真摯に応えて下さる方です。 また、研究室内外のミーティングやワークショップも頻繁に開催され、研究メンバー同士で自由活発な議論ができます。 ですから、常に自ら問題意識を持って、積極的なディスカッションを積み重ねてゆけば、それに比例して得るものも大きいはずです。
奥村 博人
1.卒業年度
平成18年度(2006年3月) 修士課程修了
2.現職(就職先あるいは所属)
東レ株式会社 機能材料研究所
3.ひとこと(研究生活が現在にもたらしている効果 等)
現在、分子シミュレーションを活用した高分子材料の設計に関する業務を行っています。そのため,研究室で学んだ計算手法や理論は大いに役立っています。
4.受験生へのアドバイス
近年,多くの企業において分子シミュレーションが活用されるようになり、計算化学への期待が非常に強まっています。 なぜなら、ある現象が発現するメカニズムを原子・分子レベルから理解することにより、新たな材料への設計指針を与えることや実験を行うことなく物性を推算することができるからです。 私は、学部の4年次に実験を行っていました。しかし、実験結果がどのような分子論的描像に基づいているかを、 原子レベルから直接観察することでより深い理解を得られるような研究をしたいと思うようになったので、大学院の修士課程から新たに長岡研究室へ進学しました。 実験を行っていて、私と同じような思いをもっている方々もきっと多いと思います。長岡研究室の皆さんは情熱的な方々が多く、とても充実した研究生活を送ることができると思います。
石橋 佐弥子
1.卒業年度
平成17年度(2005年3月) 学士課程修了
2.現職(就職先あるいは所属)
トヨタコミュニケーションシステム株式会社 システムエンジニア
3.ひとこと(研究生活が現在にもたらしている効果 等)
卒業研究で学んだことは、現在の業務にも関連しているため、スキル的な面で活かせていると思います。また、勉強などで壁にぶつかるとすぐに投げ出しがちな私でしたが、この研究室では、何事も途中であきらめず、最後までやり通す事の大切さを学ぶことができました。
4.受験生へのアドバイス
学部卒なので受験についてはアドバイスできませんが、悔いの残らないように頑張ってください。
出村 彰光
1.卒業年度
平成15年度(2003年3月) 修士課程終了
2.現職(就職先あるいは所属)
日本板硝子株式会社 OE事業部 舞鶴製造部 製造1課
3.ひとこと(研究生活が現在にもたらしている効果 等)
研究生活が現在にもたらしている効果は下記の3点が挙げられます。
@自分が発想したテーマについて研究を行うことができたため、主体的に行動する楽しみと責任感を学びました。
A研究室の各自の研究テーマがバラエティ豊かなので研究室内での討論に語彙力・文章力が必要で、鍛えられました。そのため現在、製造課で仕事をする際に様々な部署と打ち合わせをする際に役に立っています。
Bコレクティブセミナー・月報のレポート等、会社でも行っていることが研究室でも行われているため、社会人になってからスムーズに勤務することができています。
4.受験生へのアドバイス
私は、学部生時の実験により疑問だった点をシミュレーションで研究したいという明確な考えを持って進学しました。大学院進学前に勉強しておくなら、量子力学の基礎は勉強しておいた方が良いかもしれません。また、この研究室は主体的に学ぶには事欠かない研究室だと思います。主体的に活動することは社会人では大切なことですし、入社試験でも第一にその点を見られると思います。
久保田 洋彰
1.卒業年度
平成15年度(2003年3月) 修士課程修了
2.現職(就職先あるいは所属)
JOCV(青年海外協力隊) ガーナ
(JICA(独立行政法人 国際協力機構)
3.ひとこと(研究生活が現在にもたらしている効果 等)
僕はボランティアとして、西アフリカのガーナで高校の先生をしていますが、彼らが「理解した」という感覚の領域が、我々と違う 感じがします。
ですのでその異なった「理解のストライクゾーン」に投げ入れる(理解してもらう)ためには、自分が本当に良く理解すること、相手をしっかり把握すること、多様な思考、柔軟な想像力などが不可欠です。学生の時の先生や先輩との議論、また、一人でじっくりとものを考えたこと、これらがいま随分助けになっていると感じています。
いま振り返ってみると大学院はそれらのことを養うよい機会だったように思います。
4.受験生へのアドバイス
岐路に立たれて悩んでいる方もいらっしゃるかも知れませんが、今までの自分を省みて、行先を決めるのですから、大いに悩み、苦しんで良いと思います。
苦しみが深いほど、その後、自身にとって大きな力となると思います。 ただ一言、申し上げたいことは、知識や技術というものは、一人の個人をみたときにはただの付属でしかないということです。
人間としての本質は何か、しっかりと見極めて高めていかないと、いくら知識や技術があったところで、その本質がともなわなければ何をやったところで二流三流、二番手三番手に終わってしまいます。
時世が時世なので、どうしても目先のことに気がいってしまいますが、物事(自分や周囲の人々、環境、時代等)の本質をしっかり見極めて、日々に自分はどうしていきたいのか、模索し続けてほしいと思います。
大石 祐貴
1.卒業年度
平成15年度(2003年3月) 修士課程終了
2.現職(就職先あるいは所属)
トヨタ紡織株式会社
3.ひとこと(研究生活が現在にもたらしている効果 等)
私が研究していた内容は現在の仕事には直接関わりは無いのですが、私は現在自動車の内装の設計を行っており、CAE解析や使用する材料選定において、研究生活で身に付いた知識が少なからず生きていると思います。
4.受験生へのアドバイス
理論や数値計算の分野を勉強したいと思っている学生には、非常によい研究環境が用意されている研究室だと思います。各種セミナーや、計算機の環境も充実しており、また所属している学生も研究に熱心な人が多いので、本人次第でとても充実した研究生活が送れるのではないでしょうか。
安武 成記
1.卒業年度
平成13年度(2002年3月) 修士課程修了
2.現職
松下電工株式会社 知的財産部
3.ひとこと(研究生活が現在にもたらしている効果 等)
現在、特許明細書の作成、翻訳等を行っています。強くて広い特許権の取得は、技術理解力および文章の書き方で決まります。技術文書作成の上で、長岡研で培われた技術理解力、日本語力および英語力が生きています。
4.受験生へのアドバイス
最近、化学に関する開発、発明が少ない、とよく言われています。しかし、直接化学に関連しなくても、多くの開発や発明の根本にあるのは化学的な技術思想です。従って、化学の知識は必須でしょう。長岡研では化学の理論的な知識を吸収することができます。皆さんも長岡研で化学の素晴らしい理論に触れてみてはいかがでしょうか。ただ、いろいろなことができる研究室だけに自分の研究内容をよく考えてから選ばないと中途半端になる可能性があります。しっかり考えた上で研究に励んでください。
原 雄介
1.卒業年度
平成12年度(2001年3月) 修士課程修了
2.現職(就職先あるいは所属)
早稲田大学 理工学部 応用物理学科 橋本研究室 客員講師
3.ひとこと(研究生活が現在にもたらしている効果 等)
長岡研究室を卒業後、企業研究所に6年間勤務し、2007年4月から大学へ研究活動の場を移しました。在職中に東京大学大学院に社会人入学し、工学博士を取得しております。現在は導電性高分子や高分子ゲルを用いて、世界最速のアクチュエーターを目指して日夜奮闘中です。計算化学から実験研究へ研究手法は変わりましたが、長岡研究室で培った科学の基礎的知識、考察力は研究手法を問わず大いに役立っています。
4.受験生へのアドバイス
研究室を卒業した後にどんな方向に進もうとも、長岡研究室で学べる(苦しまされる!?)量子力学・統計力学等の科学の根幹を成す原理、またそれを学ぼうと苦労するプロセスは、ボディーブローのようにあとからジワジワと役に立つことを実感することができるでしょう。腰を据えて勉強ができる学生時代の研究テーマとして、(勉強が大変な)理論的研究にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
岡崎 功
1.卒業年度
平成11年4月より平成12年10月 博士研究員
(科学技術振興事業団(現:科学技術振興機構)計算科学技術員として所属)
2.現職(就職先あるいは所属)
弘前大学 理工学部 電子情報工学科 講師
3.ひとこと(研究生活が現在にもたらしている効果 等)
短い間でしたが大変お世話になり、有意義な時間を過ごさせてもらいました。
4.受験生へのアドバイス
長岡研究室は大雑把に言えば計算化学分野の研究室であり、化学反応等のメカニズムを探っていると言えるでしょう。このメカニズムは単なる低分子が登場する場合に限らず、例えばタンパク質などの巨大分子にも密接に関係し、このような類のテーマも研究室では扱っています。先に「大雑把」と言ったのには理由があり、計算科学分野なのですが、研究対象は多岐にわたっているからです。そんな幅の広い視点で研究ができます。
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