無料で解析する
本書には分子動力学シミュレーションの計算結果を解析するツールが付属しておりません。しかし、AmberToolsを利用すれば、無料で解析することが可能になります。付属DVDに含まれているLEaPを用いる演習も行うことができるようになります。
AmberToolsのインストール
AmberToolsには、4つのプログラム(核酸ビルダー(nucleic acid builder, NAB)、ANTECHAMBER、PTRAJ、LEaP)が含まれています。
AmberToolsは、ここでダウンロードすることができます。
1. Windows環境へのインストール方法を説明します。予め、Cygwin ( http://www.cygwin.com/ ) をインストールしておいてください。xLEaPを利用する場合には、Cygwin/Xも必要になります。
2. 環境設定をします。~/.bash_profile に以下の行を追記します。
AMBERHOME=/home/user01/app/amber10 ← AmberToolsをインストールするフォルダ export AMBERHOME PATH=${PATH}:$AMBERHOME/exe export PATH
編集が終わったらCygwinを立ち上げなおすなりして、設定を反映させてください。
3. AmberToolsをインストールします。
$ cd $AMBERHOME/src $ ./configure_at -cygwin gcc $ make -f Makefile_at
LEaPを起動してみる
1. まず、X Windowを起動します。
$ startx
2. 新しく開いたウィンドウでxleapを起動します。
$ xleap
LEaPの使い方は本書を参照してください。
動径分布関数を計算してみる
PTRAJを用いて動径分布関数を計算することができます。
1. スクリプトファイルを次のように作ります(ここでは ptraj.in とする)。以下は、アンモニア水溶液系において、窒素原子周囲の酸素原子の動径分布関数を計算する例です。
trajin mdcrd radial test 0.1 10.0 @N1 @O
本書では、スクリプトファイルの最終行に go という文字が入っていますが、AmberToolsのPTRAJではこの文字はいらないようです。
2. 実行します。
$ ptraj prmtop ptraj.in
数値データ解析とグラフ化
数値データ解析やグラフ化のためのフリーソフトには次のようなものがあります。
- OpenOffice.org
- http://ja.openoffice.org/
- R
- http://www.r-project.org/
- Octave
- http://www.octave.org/