***第18回尾張コンプレックスセミナー*************** 題 目: 乾燥過程ならびに保存期間中における糖によるタンパク質の熱安定化      (Thermal Stabilizing Effect of Sugars on Proteins in Drying Processes and Storage Periods) 発表者: 鈴木哲夫(京都大学大学院工学研究科化学工学専攻) 日 時: 3月28日(金) 13時00分~ 場 所: 人間情報学研究科6階616号室     (使用されている場合は603号室で行います) 内 容: 医薬品,機能性食品,ドライ方式診断薬などにおいて,タンパク質が持つ生理      活性を活用するものが多数存在する.従って,これらの製品では,製造過程や      保存期間中に製品中のタンパク質が失活しないことが必要である.また、製品      保存時の品質の安定性や運搬の容易さなどの点から、上記の製品の中には、乾      燥固体状のものが多数存在する。そうした製品を製造する場合、タンパク質は      一般に熱に弱いので、乾燥方法としてしばしば凍結乾燥が選択される.また,      糖を添加して乾燥中ならびに製品保存期間中の失活を抑えることがよく行われ      る.この糖によるタンパク質の熱安定化機構については定性的にはある程度理      解されているものの,実際の乾燥操作に必要な定量的な知見はあまり得られて      いない.こうした背景の下で,本研究ではタンパク質に対する糖の熱安定化作      用について調べた.モデルタンパク質として酵素を用い,数種の糖とともに糖      -酵素凍結乾燥試料を作製し,試料中における糖の結晶化度と高温下で保存し      た場合の酵素活性保持の度合いとの関係について考察した.また,糖による酵      素の熱安定化のメカニズムについて,実験ならびに分子動力学 (MD) シミュレ      ーションにより検討を加えた. ***********************************