**************第17回尾張コンプレックスセミナー*********************** 題 目:超伝導における多重バンド効果    (Theoretical Studies on Many-band Effects in Superconductivity) 発表者:長尾秀実(金沢大学理学部計算科学科) 日 時:3月20日(木) 15時00分~ 場 所:人間情報学研究科6階616号室     (使用されている場合は603号室で行います) 内 容: 高温超伝導の発見以来、強相関系の実験的および理論的研究が盛ん     に行われ、酸化物超伝導やフラーレン、MgB2等の超伝導研究により電     子間相互作用とギャップ関数の対称性の関係が議論されている。本講     演では2バンドモデルにおける超伝導発現についての最近得られた理     論的研究結果を紹介する。フェルミ面が二つのバンドを横切る場合、     各フェルミ面に超伝導ギャップを生成する可能性がある。電子-格子相     互作用による超伝導発現の場合、バンド間電子トンネルがない場合は     二つの異なる超伝導ギャップが存在することが示される。バンド間ト     ンネルがある場合は区別が付かない。また、フェルミ面が二つのバン     ドを横切る場合は、斥力電子間相互作用でも超伝導発現の可能性があ     る。バンド間およびバンド内電子間相互作用からの超伝導発現への寄     与を解析し、超伝導発現における(A)電子-格子相互作用、(B)スピン揺     らぎ、(C)その協同的機構の関係を紹介する。 ************************************************************************