***第15回尾張コンプレックスセミナー*************** 日 時:3月5日(月) 13時30分~ 場 所:人間情報学研究科6階616号室     (使用されている場合は603号室で行います) 発表者: 山高 博(大阪大学産業科学研究所) 題 目:RLi化学種の溶液中の会合状態とその反応速度論 内 容:アルデヒド、ケトンへのRMgXおよびRLiの付加反応は同じタイプの反応      として理解されているが、詳細に見るとそれらの反応挙動は異っている。 例えば、RLiに比べてRMgXの反応ではより大きな立体効果を受けること や、ラジカル由来の生成物を与えやすい事などが知られている。これらの 反応の機構を理解するためには、反応経路、多段階反応の場合の律速 段階、遷移状態の構造などに関する知見が不可欠である。同時に有機 金属試剤の反応の場合には、溶液中での会合状態や遷移状態における それら会合状態の役割の把握が重要である。しかしながら、溶液中での 会合状態の解明は実験的には難しい問題である。本講演では、芳香族 アルデヒド、ケトンとRMgXおよびRLiの反応機構の類似点と相違点に関 する物理有機化学手法による研究結果について概説すると共に、速度 論的手法による反応試剤の会合状態に関する検討結果について紹介し、 理論計算に対する期待について触れる。 ***********************************