***第13回尾張コンプレックスセミナー*************** 日 時:2月24日(月) 13時30分~ 場 所:人間情報学研究科6階616号室     (使用されている場合は603号室で行います) 発表者:印出井 努(筑波大学大学院数理物質科学研究科) 題 目:定常ずり流動下における物理ゲルの解析 内 容:ある種の物理ゲルは、定常ずり粘性率にピークが現れる(shear-thi      ckening(以下STC)現象)。我々は、物理ゲルを適切に記述する高分 子ネットワークモデルを構築して、STC現象をうまく説明出来た。本セ ミナーでは、モデルの概要と、どのような機構がSTC現象を引き起こ すかについて、物理的な考え方を分かりやすく説明する。物理ゲル中 の高分子鎖は、架橋点で互いに結合・解離を繰り返している。各鎖が 系の粘弾性に与える影響は、架橋点との結合の仕方によって異なる。 我々は活動鎖(両端が異なる架橋点と会合している)、末端鎖(一端の みが架橋点と会合している)、ループ鎖(両端が同じ架橋点と会合して いる)の3種類をモデルに取り入れた。解析の結果、STC現象の原因は、 1) ずり流動に伴って十分に伸張した活動鎖の非線形張力 と 2) ループ鎖が環状状態を開くことに伴って生じる活動鎖数の増加 にあることが分かった。 ***********************************