***第12回尾張コンプレックスセミナー*************** 日 時:2月17日(月) 13時30分~ 場 所:人間情報学研究科6階616号室     (使用されている場合は603号室で行います) 発表者:井上 仁(佐賀大学海洋エネルギー研究センター) 題 目:1次元量子スピン系への共形場理論の応用 内 容: CFTは1+1次元(従って、ベリー位相なしだと、2次元の古典系)臨界 系 を記述する.臨界系では,オーダーパラメータの相関関数がべき的 に減衰し,等角写像に対して作用が不変となる.このような対称性を持 つ系では、種々の物理量の臨界指数が固定されてしまう.1+1次元で は,臨界系のユニバーサリティクラスはセントラルチャージcによって分 類される.  低次元では,温度揺らぎと低温での量子揺らぎが大きくなり,平均場 近似が許されない.例えば,高次元で成立していたフェルミ流体は1次 元で破綻する.朝永ラッティンジャー流体は1次元フェルミオン(ボゾン) を記述する有用なモデルである.TL流体はc=1CFTで記述される量子 臨界系である。これは,2次元XYスピン,超伝導フィルム,ラフニング      転移,Berezinskii-Kosterlitz-Thouless転移等の古典2次元系とも関 連しており,その不安定性を解析することは重要である.  セミナーでは,「磁化プラトー系などTL流体の不安定化(転移)が起 こる1次元量子系」や「長距離力を持つTL流体」へのCFTの適用につ いての話をしたいと思う.特に,基底状態有限サイズスケーリングから のセントラルチャージが,BKT(や2次)転移や長距離力に対してどの ように振る舞うのかを議論する.BKT転移点の決定法など,レベルス ペクトロスコピー法と対比させて,話をしたい. ***********************************